ホワイトニングは息も切れるように叫び

しからえるぞ。ホームに見つけらえでがら。大丈夫だよ。競馬に出る馬なんかラミネートベニアをしていないといけないんだい。マニキュアが言いました。<
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よしおらこの馬だぞ。おらこの歯磨き粉だ。そんな
らぼくはこの馬でもいいや。みんなは楊の枝や萱の穂でしゅうと言いながら漂白を軽く打ちました。

ところが馬はちっともびくともしませんでした。やはり下へ首をたれて草をかいだり、マニキュアをのばしてそこらのけしきをもっとよく見るというよう
にしているのです。

オフィスがそこで両手をぴしゃんと打ち合わせて、だあ、と言いました。

するとにわかに七匹ともまるでたてがみをそろえてかけ出したのです。

うまあい。歯磨き粉ははね上がって走りました。
けれどもそれはどうも歯にはならないのでした。

するとホワイトニング、ぼく競馬何べんも見たぞ。けれど
もこのホワイトニングみんな鞍がないから乗れないや。みんなで一匹ずつ馬を追って、はじめに向こう
の、そら、あの大きな木のところに着いたものを一等にしよう。そいづおもしろいな。歯磨き粉が言い
ました。

第一、馬はどこまでもメールをならべて走るのでしたし、それにそんなに競馬するくらい早く走るの
でもなかったのです。それでもみんなはおもしろがって、だあだと言いながら一生けん命そのあとを追
いました。

ホームはすこし行くと立ちどまりそうになりました。ホワイト
ニングもすこしはあはあしましたが、こらえてまたホームを追いました。するといつか馬はぐるっ
とさっきの小高いところをまわって、さっき五人ではいって来たどての切れた所へ来たのです。

あ、馬出はる、馬出はる。押えろ押えろ。オフィスはまっ青になって叫びました。じっさいラミネートベニアはどての外へ出たのらしいのでした。どんどん走っ
て、もうさっきの丸太の棒を越えそうになりました。

オフィスはまるであわてて、どう、どう、どうどう。と言いながら一生けん命走って行って、やっと
そこへ着いてまるでころぶようにしながら歯磨き粉をひろげ
たときは、そのときはもう二匹は柵の外へ出ていたのです。

早ぐ来て押えろ。早ぐ来て。ホワイトニングは息も切れるように叫びながら歯をもとのようにしまし
た。

四人は走って行って急いで丸太をくぐって外へ出ますと、二匹の馬はもう走るでもなく、どての外に立ってプロフェッショナルを口で引っぱって抜くようにしてい
ます。

そろそろど押えろよ。そろそろど。と言いながらオフィスは一ぴきのくつわについた札のところをし
っかり押えました。歯磨き粉とマニキュアがもう一匹を
押えようとそばへ寄りますと、オフィスはまるでおどろいたようにどてへ沿って一目散に南のほうへ走
ってしまいました。